食品を買う前や食べる前にチェックしている「賞味期限」と「消費期限」。
この2つの期限をしっておけば、健康を守り、食品を無駄にしないことによって地球環境も守れるんです。
この記事では賞味期限と消費期限の基本情報に加え、期限切れでも食べられる日数の目安、両者の違いをまとめました!
賞味期限とは?

賞味期限とは、「おいしく食べられる期限」のこと。
農林水産省では以下のように定義されています。
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。
「賞味期限が切れた」=「おいしく食べられる期限を過ぎた」ということ。味はちょっと劣化している可能性があります。
色・におい・味に異常がなければまだ食べても大丈夫です。
賞味期限の表示方法
賞味期限の表示には、以下のルールがあります。
- 3か月以内:年月日で表示する(1日単位)。
- 3か月を超える:年月で表示する(月単位)。
※期限が3か月を超えて1日単位の表示義務がない場合でも、メーカーによっては年月日で表示しています
ちょうど年月日表記と年月表記のお菓子があったので、写真を掲載しておきますね。じゃがりことビスコです。


月しか書いていない場合でも、その月内は十分おいしく食べられます。
「月末に近づくと味が劣化するかな?」なんて心配しなくても大丈夫ですよ!
賞味期限の決め方は?
賞味期限を決めているのは製造業者(メーカー)です。
以下、3種類の試験を組み合わせて客観的・主観的に期限を設定します。
理化学試験 |
|
phの変化・酸化の程度・粘りや濁り等を判断する。 |
---|---|---|
微生物試験 |
|
食品中の細菌の数によって汚染状況を判断する。 |
官能評価 |
|
外観・香り・味・食感等を判断する。 |
これらの試験によって明らかになった可食期間に、さらに安全係数をかけた数値が消費期限と賞味期限になります。
食品の特性に応じ、設定された期限に対して1未満の係数(安全係数)をかけて、客観的な項目(指標)において得られた期限よりも短い期間を設定することが基本である。
安全係数の数値はおよそ0.7~0.8です。
例えば検査の結果10日の可食期間があると判断された食品は、10×0.7=7日の賞味期限に設定されます。安全性を高めるため、期限にゆとりを持たせているわけですね。
視点を変えると、賞味期限を1.1~1.3倍過ぎてしまっても、可食期間内なので安全性は高いということになります。
賞味期限が表記される食べ物

賞味期限が表記される食品の特徴は、傷みにくいことです。
- スナック菓子(ポテチやチョコクッキー等)
- インスタント食品(カップヌードル、スープ、うどん等)
- 発酵食品(味噌、納豆、豆腐等)
- 缶詰(コーン、かに、シーチキン等)
- ペットボトル飲料(コーラ、お茶、紅茶等)
などが代表的ですね。
これらの食品は、賞味期限切れしてからどのくらいの期間食べてもよいのでしょう?
食べる際の注意点と共にご説明します。
賞味期限切れはいつまで食べられる?
先ほどもお伝えした通り、賞味期限の1.1~1.3倍の期限内なら食べても大丈夫です。味は劣化しているかもしれませんが安全性は高いでしょう。
ただ、賞味期限を1.3倍以上過ぎたらもう食べられない、というわけでもありません。
私の家には賞味期限を3か月過ぎたカップ麺があります。
カップ麺の賞味期限は通常6か月程度で設定されているため、1.5倍超過しているということになりますね。

しかしカップ麺は乾燥しているぶん劣化が非常に遅く、3か月程度過ぎてもまだ食べてOKと言われています。
とはいえ、変なにおいがする場合は捨てたほうが良いですよ。
その他、賞味期限切れでも食べられるか気になる食品の例をあげます。期限切れからの日数の目安・判断基準を表にまとめました!
豆腐 | 期限切れから 7日以内 |
酸っぱいにおいはない? ぬめりや酸味はない? ※生では食べないこと。 |
---|---|---|
卵 | 10日以内 | 黄身が崩れていない? 白身が黄ばんでいない? ※絶対に加熱すること。 |
ヨーグルト | 7日以内 | 異臭はない? ホエイ(乳清)は黄色くなっていない? |
ビール | 6か月以内 | 酸化して雑味が増していきます。 |
納豆 | 14日以内 | においとぬめりはない? 発酵が進みすぎて異臭がする場合は捨てる。 水分が蒸発してカチカチになるとおいしくない。 |
生乳 | 7日以内 | 白いつぶつぶや黄ばみはない? ドロドロ・ぬめぬめしていない? すっぱいにおいはしない? |
※未開封・未使用・適切に保存した食品が対象です。
こちらに表記した日数を過ぎても平気!という人もいれば、保存方法が不適切だったため腹痛を起こした人もいます。
豆腐や卵・生乳など加熱できるものはしっかり加熱し、異常がある食品は潔く廃棄してしまいましょう。
賞味期限切れ食品を食べる注意点
賞味期限が切れた食品を食べるなら、2点だけ覚えておいてほしいことがあります。
- 袋や容器を開けると賞味期限は短くなる
- 保存方法が悪いと賞味期限は短くなる
賞味期限は前後するものだと思ってください。
1の例として、開封したポテトチップスを3か月後に見つけたとしましょう。賞味期限内であっても、おそらく油が酸化しており異臭がするはずです。人によっては食べると吐き気をもよおします。
2の例として、開封していないポテトチップスを1か月真夏の日差しにさらしたとしましょう。賞味期限内ですが、保存方法が適切でないため劣化が急激に早まり、結果的に賞味期限が短くなります。
賞味期限だけではなく、開封しているか・保存方法は適切かはしっかりチェックしておいてくださいね!
消費期限とは?

消費期限とは、「安全に食べられる期限」のこと。
農林水産省では以下のように定義されています。
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。
「消費期限が切れた」=「安全に食べられる期限を過ぎた」ということ。腹痛や吐き気などの症状が起こる危険性が高まってきます。
見た目に異常がなくても、賞味期限が切れたら食べないことをおすすめします。
消費期限の表示方法
消費期限は必ず年月日まで書かなければなりません。スーパーのお惣菜には、時間まで書かれていることがありますね。
こちらのパンのように、記載方法は年月日の賞味期限と同じです。

消費期限はおよそ5日以内で設定されます。
それ以上期限が長い食品は、賞味期限が設定される場合が多いですね。
消費期限の決め方は?
賞味期限の決め方と同じく、「理化学試験」「微生物試験」「官能評価」の3種類の試験を組み合わせて調べ、まずは可食期間を明らかにします。
その期間に安全係数(0.7~0.8)をかけた数値が消費期限になります。賞味期限と同じく、期限にはゆとりがあるのです。
しかしそもそもの可食期間が短いと、安全係数をかけても日数が変わらない場合があります。
設定された期間については、時間単位で設定することも可能であると考えられることから、結果として安全係数をかける前と後の期限が同一日になることもある。
例えば2日+12時間(2.5日)が可食期間の食品があったとして、2.5×0.8=2.0となります。時間単位では差がありますが、日単位では差がないのです。
「期限にはゆとりがあるから大丈夫」かどうかは食品によるというわけですね。
消費期限が表記される食べ物

消費期限が表記される食品の特徴は、傷みやすいことです。
- お弁当
- お惣菜(菓子パン、おにぎり等)
- サンドイッチ
- 生菓子(ケーキなど)
こんな食品が当てはまります。
これらの食品は、消費期限切れしてからどのくらいの期間食べてもよいのでしょう?そもそも絶対食べてはいけないのでしょうか。
食べる際の注意点と共にご説明します!
消費期限切れはいつまで食べられる?
できれば消費期限内で食べるのが安全です。
よく賞味期限切れのお刺身やもやしでお腹を壊す人がいますね。期限を過ぎたら、何か問題が起こっても自己責任となりますよ。
でも、どうしても食べたいなら以下の日数を目安にしてください。
消費期限 | 安全性が高めの期間 |
---|---|
1日 | 1.5~2日以内(1.3) |
2日 | 3~4日以内(2.6) |
3日 | 4~5日以内(3.9) |
4日 | 6~7日以内(5.2) |
5日 | 7~8日以内(6.5) |
消費期限に1.3を掛けて可食期間を割り出し、食べてもまだ安全性が高そうな日数を記載しました。カッコ内の数値が可食期間です!
開封している場合は、絶対に消費期限内で食べてください。食品は開封後にどんどん雑菌繁殖しますよ。
消費期限の設定された食品でも、冷凍すると食べられる期限が大幅に伸びます。たとえば期限が3日の食パンでも、適切に冷凍すれば1週間楽しめるんです。
肉・ごはん・野菜なども冷凍できますので、食品ロスを防いで食費を節約するためにぜひチャレンジしてみてください。
消費期限切れ食品を食べる注意点
消費期限が設定されている食品は、開封未開封に関係なくとにかく劣化が早いです。
菓子パンだって1日期限が過ぎるとパサついてしまいますよね。フルーツケーキは黒ずんできますし、豚肉や牛肉はドリップ(生肉から出る粘液)が出てきます。
鮮度が命の食品ばかり。消費期限が切れている場合は、味が損なわれていることを覚悟して食べてください。
また、生もの系が期限切れしている時は、以下の項目を丁寧にチェックしてみましょう。
- 色合い:変色していないか。
- におい:腐敗臭、酸っぱいにおいはしないか。
- カビ:カビが生えていないか。
- ぬめり:粘液、ぬめぬめがないか。
どれか1つでも当てはまるようなら、未開封でも絶対に捨ててくださいね。
加熱しても毒性を失わない食中毒菌
消費期限が切れていても、加熱すれば大丈夫じゃないか?と思う人もいると思います。実際加熱すればある程度の菌は死滅します。
しかし一方で、熱抵抗性が強く、加熱しても生きている細菌も存在します。
食中毒菌名 | 症状 | 加熱後 |
---|---|---|
サルモネラ | 悪心・下痢・腹痛・発熱 | 死滅 |
腸炎ビブリオ | 激しい腹痛・下痢・血便 | 死滅 |
セレウス菌 | 嘔吐・吐き気・下痢・腹痛 | 生存 |
ウエルシュ菌 | 腹痛・下痢・腹部膨満感 | 生存 |
ボツリヌス菌 | 嘔吐・吐き気・視力障害・言語障害 | 生存 |
賞味期限・消費期限内ならこれらの食中毒菌はいない、というわけではありません。でも期限を過ぎると感染の危険性は高まるでしょう。
期限切れ食品はよくよく状態をチェックし、念のため加熱した上で食べてくださいね。
賞味期限と消費期限の3つの違い

以上、賞味期限と消費期限についてご説明しました。
一言でいうと、賞味期限はおいしく食べられる期限で、消費期限は安全に食べられる期限でしたね。
今までの内容を踏まえて両者の違いを確認しましょう!
食品の劣化の速さ
賞味期限が設定される食品は、劣化が遅め。スナック菓子やインスタント食品・発酵食品などが当てはまります。
劣化が遅いため、期限が1~2日程度過ぎてもちょっと味が落ちるだけ。食品によっては1週間過ぎても食べられます。
消費期限が設定される食品は、劣化が早め。生ものや菓子パン・お弁当が当てはまります。
劣化が早いため、ほんの1日過ぎただけで大きく風味が損なわれることも。1週間以上過ぎると食中毒等の危険性が高まります。
年月日の表示の細かさ
賞味期限が設定される食品は、
- 期限が3か月以内なら年月日で表記
- 期限が3か月以上なら年月で表記
と、表記方法が定められています。
3か月以上と長期間保存できる食品は、1か月単位で食べられるかどうか判断しても、問題がないということですね。
消費期限が設定される食品は、
- 期限にかかわらず年月日で表記
となります。
5日以内と短期間しか保存できない食品です。劣化がとても速いため、1日単位で食べられるかどうか判断しなければならないのです。
期限が切れた場合の安全性
賞味期限はおいしく食べられる期限なので、安全に食べられる期限はもっと先です。おおよその目安として、
賞味期限の長さ×1.3±α
で導き出される長さまでは、基本的に食べても問題ないでしょう。1.3を掛けると可食期間の長さになるためです。αの数値は食品の種類と保存状態によって変化します。
消費期限は安全に食べられる期限なので、この期限を過ぎると安全とは言えません。おおよその目安として、
消費期限の長さ×1.3±0~1
で導き出される長さまでで食べきりましょう。±0~1は、食品の種類と保存状態で増減させてください。たとえば生肉は±0、菓子パンは+1など。
消費期限を過ぎた食品を食べるのはあまりお勧めできません。どうしても食べたいものだけ、検討してくださいね!
賞味期限&消費期限を延ばす保存方法まとめ

期限切れの食品をなるべくおいしく安全に食べるためには、正しく保存することがとても大切です。
そこで、ここでは賞味期限と賞味期限を延ばす方法をご紹介します!
常温保存
常温保存とは、一般的に冷暗所で保存することです。
たまにパッケージの裏に「冷暗所で保存」と書いていることがありますよね?季節にもよりますが、そういった食材は冷蔵庫に入れなくても長期的に保存が可能です。
冷暗所とは、以下の2つの条件を満たす場所を指します。
- 温度が一定で15~25℃の範囲
- 直射日光が当たらない
さらに、湿気が少ない場所だと望ましいですね。パックに入れたり、キッチンペーパーで包んだりすると湿気対策になります。
常温保存が適している商品には、以下の写真のように「冷暗所」ではなく別の言い方をしている場合もあります。

食品衛生法では保存方法の表示義務が定められているので、例外を除いてほとんどの食品には保存方法が明記されています。
常温保存に適した場所の例
食品を常温保存したいなら、以下の場所がおすすめです。
- 収納棚
- 床下収納
- ベランダのストッカー
- 段ボール箱
- 冷蔵庫
キッチンのシンク下にある収納棚は、湿気が多くなるのでご注意を。定期的に換気するか、湿気取りグッズを置きましょう。床下収納も湿気やすい場所です。
ベランダは朝夕の寒暖差が激しい場合があり、品質劣化しやすくなります。お米か根野菜が収納に適しています。
冷蔵庫には本来「要冷蔵」と書かれた食品を入れるのがベストです。ただし、真夏で室内温度が高いとき・収納スペースがないときにはぜひ活用しましょう。
常温保存できる食品のうち、冷蔵保存すると賞味期限が縮まるのは熱帯の野菜(イモ類やバナナ等)くらいですので、安心してくださいね。
常温保存できる食品
常温保存ができる食品の例をまとめました。
飲み物 | 水、ミネラルウォーター、野菜ジュース |
---|---|
主食 | 米、パスタ、コーンフレーク、乾パン |
卵・乳製品 | 卵、チーズ |
肉・魚 | 魚肉ソーセージ、サラミ、シーチキン にぼし、するめ |
調味料 | 塩、砂糖、油、お酢、みそ、しょうゆ |
保存食 | 缶詰、乾パン、カロリーメイト |
意外なものも常温保存できるので、冷蔵庫のスペースを作る・賞味期限を延ばすためにもぜひ常温保存にシフトさせてみてください。
LL(ロングライフ)牛乳は、常温保存できる製造方法を適用した牛乳です。有名な森永牛乳(森永)や北海道牛乳(明治)がLL牛乳ですね。「常温保存可能品」等の記載があります。
冷蔵保存
冷蔵保存とは、10度以下の環境で保存することです。5度以下ではチルド保存・-15度以下では冷凍保存になります。
一般家庭では冷蔵庫に入れて冷蔵保存しますね。
冷蔵保存に適した場所の例
冷蔵庫の中には様々な名称の保存場所があり、温度帯が異なります。
10℃以下で冷蔵保存したいのであれば以下の場所を使いましょう。
- 冷蔵室:約3℃。すぐ使う食品を入れます。
- チルド室:約0℃。生鮮食品・乳製品を入れます。
- 野菜室:約6℃。野菜や果物・飲料を入れます。
特に開封した食品は、保存袋やラップを使って空気に触れないように保存してくださいね。
冷蔵保存できる食品
冷蔵保存ができる食品の例をまとめました。
肉・魚・魚介類 | 牛肉、豚肉、鶏肉、ハム 刺身、切り身、エビ |
---|---|
加工食品 | ちくわ、練り物、豆腐 漬物、納豆、鮭フレーク |
その他、常温保存の食品・野菜や果物を入れることもあります。
非常に多種多様な食品が冷蔵保存できるのです。
冷凍保存
冷凍保存とは、-15℃以下の環境で保存することです。
食品が凍ると菌の繁殖が抑制されるため、条件的に長期保存に最も適した保存方法であると言えるでしょう。
冷凍保存できる場所
食品を冷凍保存したいなら、冷蔵庫の冷凍室一択です!
一般的な冷凍庫は業務用と違って、
- 急速冷凍がむずかしい
- 開閉による温度変化が激しい
と2点のデメリットがあります。
それでもジップロックやキッチンペーパーを活用して適切な保存条件を満たせば、期限切れ食品が食べられる期間をグンと伸ばしてくれるんですよ。
消費期限が3日の生肉でさえ、正しく冷凍保存すれば1週間も持つほどです。
冷凍保存できる食品
冷凍保存ができる食品は、野菜や作り置きおかずが代表的です。しかしこれらの食品には賞味期限・消費期限が書かれていません。
期限が書かれていて冷凍保存ができる食品なら、
- 肉類
- 魚類
- 刺身
- 納豆
- パン・菓子パン
これらの食品をおすすめします。
小分けにできるものは分割してパック・保存容器に入れるといいですね。使いやすくなりますし、速やかに冷凍できるため食品へのダメージが少なくなります。
賞味期限&消費期限の豆知識

賞味期限と消費期限には、ちょっとした面白い豆知識があるんです。特に「知っておくと便利だな」と思う知識を集めてきました。
期限が書かれていない食品がある
賞味期限・消費期限の表記が義務付けられていない商品は、案外多く存在します!
消費者庁・農林水産省の資料でチェックしましょう。
・容器または包装の面積が30cm2以下であるもの……原材料名、賞味期限または消費期限及び保存方法、原料原産地名
・品質の変化が極めて少ないもので、次にあげるもの…賞味期限及び保存方法
でん粉、チューインガム及び冷菓、砂糖、アイスクリーム、食塩及びうま味調味料、飲料水及び清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓をつけたものを除く。)またはポリエチレン製容器入りのものに限る。)並びに氷
「容器または包装の面積が30cm2以下であるもの」の例としては、チロルチョコのように小さいお菓子が思い浮かびます。
「冷菓」は凍らせて作ったお菓子のことです。「飲料水」には、ガラス瓶に入った蒸留酒(ウィスキーや焼酎)が含まれます。
賞味期限が書かれていないから不安……と思う人もいますが、保存状態がよければ風味も損なわれずおいしく頂けますよ。
賞味期限と食品ロス
食品ロスについて、農林水産省は以下のように定義しています。
「食品ロス」とは、食べられるのに捨てられてしまう食品をいいます。
食べられるけど捨てられた食べ物は食品ロスとなり、食べられないから捨てる食べ物は食品廃棄物に分類されます。
政府広報オンラインの平成28年度の記事によると、日本国内における年間の食品廃棄量は約2,800万トン。
なんと食料消費全体の3割を占めているのです。
さらにこの2,800万トンの食品廃棄量のうち、食品ロスは632万トン。食品廃棄量全体の20%以上は「食べられるのに捨てている」ということになりますね。
さて、私たちが食品ロスを減らすためには、何をすれば良いのでしょうか?その方法の1つは「賞味期限切れの食品を食べること」です。
ここまでお話ししてきた通り、賞味期限はあくまでおいしく食べられる期限であり、多少過ぎても安全に食べられます。
農林水産省でも子供向け記事にこんな記載があるんですよ。
色やにおい、味などをチェックして異常がなければ、まだ食べることができます。もし、賞味期限が過ぎた食品があったら、大人の方とそうだんしてから食べましょう。
大手メーカーでは、食品ロス対策のために賞味期限の延長を検討・実施しています。
私たちも食費の節約・環境への配慮のために、家庭内で賞味期限を延長してみませんか?
海外では賞味期限が長めな傾向あり
日本の賞味期限・消費期限は海外と比べてかなり短めです。
「海外のたまごは賞味期限が1か月ある」
「海外の牛乳の賞味期限は3か月!」
などなど、そんなに長いとお腹を壊さないか心配になるほど、期限が長いことがあります。
海外からの輸入食品については、輸入業者が日本の法令に基づき期限を設定し直す義務があるのでご心配なく。
ちなみに、賞味期限は英語で「Best Before」、消費期限は「Expiration Date」と表記されます。
賞味期限間近の商品専門店がある

KURADASHI.jpというネットショップをご存じでしょうか?このショップ、なんと賞味期限間近の商品を激安価格で販売しているんです。
賞味期限間近・賞味期限切れの商品を消費者に提供してもいいのか……、気になりますよね。実はその旨をしっかり明記しておけば、合法なんですよ。
取り扱い商品は、レトルト食品・お菓子・飲料・日用品など。売り上げの一部は医療支援や地域活性支援のために寄付されます。
海外では、デンマークで「We Food(ウィー・フード)」という賞味期限切れ商品を販売する実店舗が経営されています。
日本でもこんなお店が増えると、食品ロス対策になるでしょうね。
まとめ
賞味期限と消費期限について説明し、「食品の劣化の速さ」「年月日の表示の細かさ」「期限が切れた場合の安全性」の3つの違いをご紹介しました。
これら2種類の期限にまつわる豆知識もお楽しみいただけましたでしょうか?
賞味期限と消費期限をはっきりと区別し、家計にも環境にもやさしい食生活を送る助けとなれば幸いです!
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